夏にプールや海で楽しい思い出を作り、日焼けで真っ黒になった自分に満足していると、その数日後にからだじゅうから赤いブツブツが…なんていう経験はありませんか。
特に痛いわけではない、このぶつぶつの正体は日光皮膚炎(光線過敏症)です。
〜本日の内容です〜
日焼けで毛穴が赤くなった?日光皮膚炎ってどんな疾患?毛孔性苔癬との違いとは?
日光皮膚炎には「日焼け」と「光線過敏症」の2種類があります。
皆さんがよく知っている「日焼け」というのは、日光の中に含まれる紫外線にたくさん当たったことによる「やけど」です。
一方、問題の光線過敏症というのは日光に対する「アレルギー反応」です。
日光に当たった部分の皮膚に赤み、湿疹、かゆみ、じんましん等が起こります。
アレルギー反応なので、日焼けは程度の差こそあれど全ての人に症状がでますが、光線過敏症は症状が出る人とでない人がいます。
女性の二の腕にできることが多い毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)と症状は似ていますが、毛孔性苔癬は恒常的な皮膚の疾患であり、アレルギーではないので何か特定の原因があるわけではない点で、光線過敏症とは異なります。
また毛孔性苔癬は痛みやかゆみを伴うことはあまりありません。
日光皮膚炎の原因、紫外線(UV)とは?
日焼けをはじめとした日光皮膚炎の原因は「紫外線」です。
アルファベット2文字ではUVと表されます。夏に薬局なんか行くと「UV対策商品」なんていうポップが目を引きますよね。
ではよく悪者にされるこの紫外線とはなんでしょうか。
それは日光に含まれる光の一種です。
そして、紫外線は、目に見えません。
ちょっとわかりにくい人は虹をイメージしてください。虹って外側が赤で、内側が紫ですよね。
でも光は虹の外側にも内側にもそれぞれあって、赤の外の色が見えない部分を赤外線、紫の内の色が見えない部分を紫外線って呼ぶんだなと思ってもらえればいいです。
そして、紫外線はA波(UVA)、B波(UVB)、C波(UVC)の3種類があり、C波はオゾン層で吸収されるため、A波とB波が主に日光皮膚炎の原因となります。
日焼けで赤いブツブツは何が原因?若い女性はなりやすい?
日光皮膚炎のアレルギー反応である光線過敏症中でもいろいろな種類があります。
冒頭で紹介した日光に当たったことにより、赤いぶつぶつが腕などにできた場合は、多形日光疹と呼ばれ光線過敏症の中で最も多い例です。
多形日光疹は10~30代の女性に多く見られます。
重要なことは、紫外線が原因でアレルギー反応が出るのですが、紫外線に直接反応しているわけではなく、紫外線の刺激を受け皮膚の中の何らかの成分が変化してアレルゲンになり反応が起こります。
ただし、なぜ特定の人にだけ発症するのか、なぜ10~30代の女性が多いのかということはわかっていません。
医学の発達による原因究明が待たれます。
日光皮膚炎になってしまったら?対処するべき重要なステップは?
さて、では実際に日光皮膚炎になってしまった場合はどう対処すればよいのでしようか。
日焼けと光線過敏症の2つに分けて考えます。
まず、日焼けになってしまった場合ですが、最初に書いたように日焼けとはやけどなので、とりあえず皮膚の熱を冷やししましょう。
範囲が狭い場合は、氷水や保冷材で冷やしたタオルを使いましょう。
範囲が背中全体のように広い場合は、冷水のシャワーを優しくあてましょう。
くれぐれも擦らないように。
皮がむけたりしたら、さらに大惨事になってしまいます。
そして、冷やしたら化粧水やワセリンで保湿してあげましょう。
その後どうしても痛みが引かないようなら、ロキソニンなどの非ステロイド系の消炎鎮痛薬を飲むと効果があるそうです。
次に光線過敏症になってしまった場合ですが、アレルギー反応であるために、できれば皮膚科を受診して症状にあった塗り薬(ステロイド外用薬)を処方してもらいましょう。
また、それ以外では日光から肌への影響を少なくするために、日焼け止めクリームを塗ったり、長袖長ズボンを着用するのもいいでしょう。
日光皮膚炎を予防する為に大切なことは?
では日光皮膚炎を予防するためにどうすればよいでしょう。
まず、紫外線からの影響を極力少なくすることを考えましょう。
外出時は日焼け止めクリームを塗り、紫外線を遮断する機能のあるサングラスをかけると効果的です。
女性の方は美白化粧品を使うのもいいでしょう。
日焼けによるシミ・そばかすを防ぎ、肌を元気に保ってくれます。
光線過敏症の場合は抗生物質などの一部の薬が、紫外線の影響でアレルゲンになっているケースもあります。
症状が改善しない場合には、いつも使っている風邪薬や頭痛薬を替えるのも一つの方法かもしれません。
紫外線をよく知る。無駄に怖がらない。
以上みてきましたが、日焼けも光線過敏症も個人によって発生する症状が違います。
紫外線をやみくもに怖がるのではなく、紫外線についてしっかり勉強し、日光に対する自分の体質や特徴をよく把握しましょう。
そして自分にあった対策を立てて、ぜひ今年の夏を満喫しましょう。