インプラントとは、人工の材料や部品を体に入れることの総称で主に歯を失った時の義歯治療のことを指します。
顎の骨に生体材料でできた支柱を埋め込み、歯根の代わりとします。
そこにセラミックなどで作った義歯を差し込むような形で装着します。
従来の義歯治療の取り外し式の義歯(入れ歯、ブリッジ)に比べて、周囲の歯を削る必要がなく、機能性がよく審美的であると評価されています。
歯根部の大きさは直径3~5mm、長さは6~18mmでチタンまたはチタン合金が使われます。
インプラント治療は発育中の子供には向いておらず主に成人以降からの治療となります。
治療を始めるにあたって、レントゲンやCT検査、口腔内検査をして治療のために計画を立てていきます。
歯根部を埋め込む手術自体は30分~3時間ほどでできます。
しかしインプラントと骨が接着するまで治療を進めることはできないので、治療全体は半年~1年ぐらいとなります。
2012年の厚生労働省の調査によると、インプラントの利用率は15歳以上で口の中にインプラントがある人は2.6%でその年の15歳以上の人口は1億1000万人いました。
なので300万近い人がインプラントを利用しているとなります。
その中でも60~69歳で割合が高く、5%以上の人たちが少なくとも1本のインプラントを入れています。
〜本日の内容です〜
インプラントをしている芸能人は誰?失敗した例はある?
ではインプラント治療をした芸能人にはどのような人がいるのでしょう。
有名なのはお笑い芸人の「バナナマンの日村」さんですね。
日村さんは上あごで10本の歯を、下あごでは5本の歯をインプラントにしています。
もともと歯並びが悪く虫歯もひどかったそうで、治療費は全部で500万円ほどだったそうです。
インプラント治療を公表している芸能人は少なく、他にもいるのだと思いますが、きちんと公表されている方の情報はありません。
しかしその中でも、歌手の「和田アキコ」さんがインプラントの再手術をした、というのがネットニュースになっていました。
それが失敗かどうかは断言しづらいのですが、半年前に埋め込んだインプラントを取り出す再手術で、術後から痛みが取れなかったためとコメントをしています。
再手術の原因は明確に書かれていませんが、おそらく歯根部と顎の骨の接着がうまくいかなかったためでしょう。
インプラントで失敗の確率は?
インプラント治療での失敗率は、おおよそ2~3%の割合であるとされています。
しかしこれは手術後の統計であり長期的に機能させるには日々の手入れと通院によるメンテナンスを行う必要があります。
喫煙者や歯ぎしりの癖がある場合、重度の糖尿病の場合などは長期的に機能されることが難しいので治療には向きません。
手術後10~15年の上顎の累積残存率は約90%、下顎で約94%とされています。
ではどのような症状が失敗とされるのでしょう。
- 歯根部が骨と接着せず結合されない
- インプラントが細菌に感染してしまう
- 腫れ、痺れ、痛みがとれない
- 人工歯の部分が破損する
これらの状態が主に失敗例とされるものです。
治療を開始する前の検査不足や手術中の衛生管理によって引き起こしてしまいます。
実際に日本ではインプラント治療の手術による死亡事故がありました。
2007年東京都のクリニックで手術中に動脈を損傷し適切に対処しなかったことで、一人の女性を死亡しました。
動脈を損傷することで大量出血を招きショック状態になり、窒息する恐れがあります。
インプラント治療における動脈の損傷は、命に関わることです。
このことからインプラントを失敗しないためには、病院選びが非常に重要になることがわかります。
インプラントで失敗!誰に相談する?
インプラント治療が失敗した場合5つの相談先が期待されます。
治療を受けた医院
まず治療または手術を受けた医院にて診察を受けましょう。
そこでインプラントの不調に医院側に責任があるとされれば金銭面での対応があるでしょう。
メンテナンスなど患者側の落ち度がある場合は治療費は自己負担での再治療となります。
治療を受けたところとは別の医院
セカンドオピニオンを受けたい場合、再治療をしたい場合、別の医院での診断を受けるのも効果的です。
しかしインプラントの再治療には高い技術がいるので病院選びは慎重に行いましょう。
国民生活センター
国民生活センターはトラブルを抱えた消費者の相談を受け付けてくれます。
独立行政法人で全国各地域に『消費者センター』という名称で設置されています。
治療を受けた医院で問題を解決できない場合などに利用するといいでしょう。
地域により受付時間は異なるので利用予定のあるときは調べてから相談しましょう。
歯科医師会
治療した医院が医師会に加入している場合は苦情なども聞き入れてくれます。
また医院、医師の紹介対応もあるので再治療が必要な場合に相談できます。
弁護士
セカンドオピニオンにて以前通っていた医院の医療ミスが発覚した場合や、返金を求めたけれども十分な対応を得られなかった場合に相談するといいでしょう。
治療費は高額なことが多く、口腔内の不快感は大きなストレスにもなるので訴訟し医療過誤が認められると慰謝料の請求もできます。
以上が主な相談先です。
まずは治療を受けた医院に問い合わせる、不信感があれば早めにセカンドオピニオンをうけるのが大切ですね。
インプラントで失敗!やり直しや返金はできる?
インプラント治療は保険適用外で自費治療なので、まず返金できないと考えておくといいでしょう。
費用は歯科医院の医院長が決めてよく返金制度も設けられてないのです。
なぜ自費治療で返金制度がないのかというと、合併症リスクが非常に高いためです。
メンテナンスを長期的に行う治療で医師だけの管理の範疇にないので合併症リスクを下げることも難しいです。
しかしインプラント治療を始めるにあたって、歯科医師が必ず合併症リスクについて説明をし、患者からの同意をもらわなければいけません。
これは法律で決められています。
インプラント治療のトラブルをめぐる裁判ではこの同意を守らなかった過失のケースが多いです。
返金となる場合は歯科医師を訴えて示談が成立したり、勝訴し損害賠償が請求できた場合となるでしょう。
インプラントのやり直しは基本的にできます。
治療を取り扱っている医院を多く見かけます。が、これも自費治療となります。
撤去の場合だと保険適用のところもあるみたいです。
費用や対応は歯科医院によって異なるので事前に下調べをした方がよさそうです。
さいごに
インプラント治療は審美的ですが、長期的なケアが必要不可欠なことがわかりました。
自費治療で高額ですが、医療費控除の対象になっているので確定申告にてうまく利用するべきです。
医院選びは本当に重要で、よく調べてどのような治療をするか、費用はいくらかをあらかじめ確認しないといけませんね。
相談窓口も多くあるみたいなので、利用するのをおすすめします。