統計によると2人に1人が生きているうちに癌を発症すると言われています。
近年、日本人の食生活が高脂肪低食物繊維のものに変化したことにより大腸がんを患う人が増加。
日々研究が重ねられ、ナッツのもつ栄養素が癌患者の生存率を上げるかもしれないという報告が上がっています。
体の奥深くに患う事から発見が遅くなりやすく原因の特定が難しかったすい臓がん発症のリスクも下げうる可能性も秘めています。
ナッツの効果との関係性を詳しくご紹介していきましょう。
〜本日の内容です〜
ナッツの摂取で大腸癌の再発と死亡率が低下する研究報告
アメリカ国立癌研究所に指定されているダナファーバーがん研究所。
食事と癌の関係性に注目しており、中でも栄養素が豊富なナッツを摂取させる研究を数年かけて行いました。
研究内容とその効果
対象者はステージ3の大腸がん患者826名。
癌は大きさ、周辺のリンパへの転移の有無、他の臓器への転移の有無と進行度によってステージが定められています。
ステージ3とはがんが周辺のリンパ節へと移転している状態です。
大腸がんのステージ3の場合、治療の際に外科手術や抗がん剤の使用、放射線治療などを行います。
ステージが3から4に進行してしまうと生存率がガクッと落ちてしまうのでこれ以上の進行を防ぐ必要があります。
研究内容は患者に1週間56.7グラムのナッツを食べてもらうというもの。
ナッツの種類はピーナッツ、アーモンド、クルミ、ヘーゼルナッツ、カシューナッツ、ピーカンナッツ。
外科手術を行った後は7年ほど追跡調査を行い生存率や進行度を調べました。
その結果ナッツを摂取していた患者は、摂取していなかった患者に比べて癌の再発率が42%低く死亡率は57%低いことが分かりました。
しかしピーナッツを摂取していた患者は再発と死亡率は変化無し。
変化があったのはアーモンド、クルミ、ヘーゼルナッツ、カシューナッツ、ピーカンナッツを摂取していた患者のみでした。
これらのナッツには肥満改善、2型糖尿病、インスリン抵抗性のリスク低下の効果も見込める食材であり、癌の進行関わりがあるのではないかと言われています。
ナッツと癌の関係性は未だ研究段階のため、推奨されたものではありません。
研究を行っているHayes医師も「がんの再発を減少させるにはナッツ類を含む健康的な食事を摂取する必要があります」と言っています。
ナッツの摂取が膵臓癌の予防になる研究報告
膵臓癌は体の奥にある臓器であるため発見が遅くなりがちな怖い病気です。
2013年ハーバード大学医学部が膵臓がんリスクについて研究発表を行いました。
研究内容とその結果
研究対象は30~55歳の75,680人の女性。過去にがんを患った方は除外し、健康的な人を対象とした調査です。
1980年から2010年の30年の間に膵臓がんになった対象者は466名。
28gのナッツを週に2回以上摂取した対象者は、ナッツ類を摂らなかった対象者に比べて膵臓がんの発症リスクが35%低いという結果が出ました。
ナッツ類(特にくるみ)にはマグネシウム、不飽和脂肪酸、食物繊維などが豊富に含まれています。
これらは臓器を活性化する成分であり、特にマグネシウムが膵臓癌発症のリスクを下げる可能性があるのではと言われています。
ナッツ摂取で死亡率低下が明らかに!
ダナファーバー癌研究所、ブリガム・アンド・ウィメンズ病院、ハーバード大学公衆衛生学部が行った30年に渡る研究によると
「毎日ナッツをひとつまみ食べている人は、食べていない人より全死亡率が20%低い」そうです。
全死亡率とは全ての病気を対象にし、その病気で亡くなった方の割合のことを指します。
対象とするナッツはピーナッツ、クルミ、ヘーゼルナッツ、アーモンド、ブラジルナッツ、カシューナッツ、マカデミアナッツ、ピーカンナッツ、カシューナッツ、ピスタチオ、松の実など。
研究内容は女性76,464名、男性42,498名。
食事や生活などの質問項目のあるアンケートを定期的に実施し、データを取るというもの。
30年間調査を行ったところ、ナッツを食べるのが週に1回未満の人の死亡率は7%、週に1回ほぼ確実に食べる人は11%、週に2~4回食べる人は13%、週に5~6回の人は15%、週に7回以上つまり毎日食べている人は20%死亡率が低下していたそうです。
死亡率の他に、ナッツを食べている人の方が細身の人が多いというデータもでています。
ナッツは脂質が多く含まれており、食べると太るという認識を覆す結果となりました。
とはいえ食べ過ぎは肥満の原因となりますので注意が必要です。
あくまで自己申告制でのアンケートでありナッツと死亡率の原因と効果を確実に証明する結果ではありません。
健康面を考えるならナッツは無塩の物を選びましょう。
こちらの動画ではナッツの選び方や栄養素、医師が選ぶおすすめナッツブランドをご紹介しています。
参考にしてみてください。
総じてナッツを食べるほど寿命が延びるという結果が実証
上記の研究やデータでも分かる通り、ナッツには健康に良い効果があるのでは?と注目され、日夜研究が進められています。
カリフォルニアにあるロマ・リンダ大学では心臓の研究の一環として34,192名を対象に12年間の追跡調査を行いました。
その結果「ナッツを毎日食べている人は平均寿命が1.5~2.5年伸びる可能性がある」という結論が出たそうです。
2001年に発行された米国の内科専門雑誌「アーカイブズ・オブ・インターナル・メディシン」でもその内容は取り上げられ大きな話題となりました。
様々な疾患の原因となるのが中性脂肪や悪玉コレステロール。血管を詰まらせたり臓器が炎症を起こす原因と成り得ます。
これらを減少させるには血液をサラサラにし、体についた余計な脂肪を落とす必要があります。
ナッツにはそれを手助けする効果が期待できる栄養素が詰まっています。
ハーバード大学で行った研究でもナッツを食べることで心臓病のリスクが29%、その他病気のリスクも低下したという報告があります。
まとめ
・大腸がん患者を対象にした研究データ…ナッツを摂取していた患者は、摂取していなかった患者に比べて大腸癌の再発率が42%低く死亡率は57%低い。
・健康な人を対象にした研究データ…28gのナッツを週に2回以上摂取した対象者は、ナッツ類を摂らなかった対象者に比べて膵臓がんの発症リスクが35%低い。
・様々な人を対象にした研究データ…毎日ナッツをひとつまみ食べている人は、食べていない人より全死亡率が20%低い
・ロマ・リンダ大学が行った調査結果…ナッツを毎日食べている人は平均寿命が1.5~2.5年伸びる可能性がある
人はナッツのみを食べて生きることはできません。
なので確実な関わりを示す研究報告を出す事はかなり難しいと言えます。
研究データはほとんど海外のものなので、日本人の体質に合うかどうかも分かりません。
何を生活に摂りいれるかは自由です。
やってみて「自分に合っている」「調子が良い」と感じたら長く続けて習慣にしていくことが大切です。